3回生 上薗 慶次郎
同じレシピでラーメンを教えたのに弟子たち100人がみんな味が違うってどういうことか。それで師匠は弟子たちのラーメンを食べ歩いてみてあることを思った。同じレシピで同じ量の鶏がら、同じ量の豚がらを教えたのに、どうして味が違うのだろう。そうか、最後は人がらなんだと。つけ麺の神様山岸さんがこう言った。
あるとき松原先生がサッカーをするうえで人間性は必要かどうかという問いを持ち掛けた。部活動で考えたら人間性も必要であると私は思う。しかし、プロで考えたら必要なのかとその時は疑問に思った。
最近話題の大谷翔平選手は、もうすぐ50本塁打と50盗塁という大偉業に王手をかけている。同じ日本人としてすごく誇らしい。もちろん野球選手として素晴らしいプレーヤーであることはみんなが知っている。しかし、ニュースで取り上げられるのはプレーだけでなく大谷選手の気遣いや礼儀正しさ、ユーモアなど人柄の良さでも注目されることが多い。これだけのスター選手になっても驕ることなく謙虚であり、落ちておるごみを率先して拾うことができるだろうか。これこそが愛され、勝利を引き付ける秘訣であるのかもしれない。
最初の出だしは良かったものの勝ちを重ねることができていない今、自分たちに必要なことは、ボールがゴールに吸い込まれるような引力である。自分たちのシュートはポストにあたり外れ、相手のシュートはポストに当たり入るのはこの引力の違いかもしれない。日ごろの練習でどれだけ必死にやっているか、審判や相手へのリスペクトがあるか、目の前に落ちているごみを拾っているか、仲間への感謝をいつも持っているかなどやれることはたくさんある。普段練習で声を出すことだけが気持ちを出す方法ではないと思う。声出すのが苦手な人は、ゴミ拾えばいいじゃん。コーンやマーカーを率先して設置すればいいじゃん。それも立派な気持ちの出し方だと思う。そういうことでもチームに勝利をもたらす一歩になるかもしれない。
勝つことが簡単ではないのは身をもって体感している。勝負の世界は紙一重だということを。だからこそ、小さいことを積み重ねていくことがすごく大事なことなんじゃないかなと思う。非科学的ことかもしれないけどそういうことをみんなでやってみようよ。何か変わるかもしれないし。
目に見えない気持ちの部分や日ごろの行動、チーム一人一人の人柄など些細なことも勝利の第一歩だと思って気にかけていくことが必要になると思う。勝利にふさわしい振る舞いをしていこう。まずは、自分が行動するのでできていなかったら言ってください。そして、一緒行動しましょう。
今からは、自分のことに関して考えてみる。今シーズンは試合に出させてもらって思うことは色々あるけど、一番はサッカーが楽しいってことだ。毎週日曜の試合が楽しみでしょうがない。早く日曜日来いよと思う。もちろん勝つことだけでなく、負けることだってある。しかし、それでもこのプレーはこうすればよかったかなとかあの連携は良かったなとか考えることも面白い。自分たちも本気で相手も本気で戦う。こんな経験なかなかできないことだと思う。それが最高に楽しいんだよ。
2回生の時に、彼女に「全然勝てないのにそんなに毎日練習して楽しいの?」って言われたことがある。違うんだよ。あの勝利の味がたまらなく美味しいんだよ。今まで味わってきたものの中で一番美味しいんだよ。その味には、努力や苦しみなど数えきれないほどの隠し味があり、それを忘れられなくてまた味わいたくて気が付いたらまた練習しているんだ。それはみんなも同じじゃないかなと思う。だから毎日練習に行くことができるのだと思う。後期一回でも多く勝利を味わえたらいいなと思う。
私は、今シーズンは2桁得点を目標に挑んでいる。現在6点であと最低でも4点必要だ。前期で思ったよりも得点を重ねたものの大事な場面や試合で決めることができていないのも事実である。さらにここ数試合では無得点である。それが関係しているかはわからないがチームも勝利がない。しかし、そんなに思い詰めているわけでもない。だってゴールはケチャップなんだから。一度出たらそこからドバっとでてくるもんなんだよ。勝利だってそうだよ。だから、うまくいかないときも落ち込みすぎず、ただひたすらにケチャップを振り続ければいいんじゃないかなと思う。そして、蓋があいたときには「お待たせ、ここからだ」と言えばいい。
さあ、大教大サッカー部ここからが本番だ。
これを読んで少しでも熱くなってくれたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
Comments